元図書館司書主婦の読書日記

趣味の読書のブログです。

十戒 〜殺人犯を見つけてはならない〜

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今回は、夕木春央さんの「十戒」を読みました。

「方舟」の衝撃を超えられるか⁉︎

 

以下、あらすじと感想。

 

浪人生の里英は父と一緒に亡くなった伯父の残した島を訪れる。

一緒に行くのは、観光開発会社の沢村と部下の女性の綾川、工務店の社長の草下と女性設計士の野村、不動産会社の藤原と小山内、伯父の友人の矢野口。

里英は島に向かう船の中で綾川と仲良くなった。

迎えの船は明日に来てもらうことになっていた。

崖で囲まれた島には、メインの建物とバンガローと地下室のついた作業小屋が建っている。

周りの海は流れが早く泳ぐことは出来ないが、島は携帯の電波も通っており、発電機もあり水も濾過装置で使える。

建物内は土足だがスリッパを履けるように用意されていた。

父と里英が発電機を動かしに行く間、不動産屋の二人は雨戸を開けてくれるという。

発電機の側にはなぜか新しいガソリンが3つ置いてあった。

応接室に集まると伯父の集めていた武器の話になり、クロスボウを見てそれは今は所持することは違法だと指摘され処分方法を考える父。

キッチンへ行くと誰かが食事をした残骸が残されていた。

几帳面な伯父がこんな風にゴミを放置するはずもなく、キッチンに残されている手付かずの食べ物は5年放置されているはずの島のはずがまだ新しかった。

寝室の一つも使われた形跡があり、作業着が脱ぎ捨てられていた。

この離島にこっそり侵入していた者がいると見て間違いない。

次にバンガローを見に行くことになり、伯父の部屋にあるはずの鍵を探すが見つからない。

しかし父が伯父の家から持ってきた鍵を取り出して皆を案内した。

地下室の入り口を見た後作業小屋に入ると、誰かが大量に爆弾を作成していた形跡があった。

スマートロックが付いていて遠隔操作で起爆できる爆弾だった。

外に焦げた場所があることから、爆破実験をしていたらしいこともわかった。

5つのバンガロー全てに同じような光景が広がっていた。

しかし父は伯父が関わっているかもしれないことで通報をためらい明日にすると皆に伝えて、その日はそのまま夕飯を食べて各自の部屋で寝ることになった。

バンガローが使えないことから一人分部屋がなくなってしまったため、里英は綾川と同じ部屋を使うことになった。

綾川と楽しく話をし寝る時間になるが、里英は眠ることができずにいた。

次の日草下の声で起こされ行ってみると、カレンダの切れ端に書かれたものを見せられる。

10項目書いてあり、3日間島の外に出てはいけない、島外に状況を伝えてはいけない、迎えの船を3日後の夜明けにすること、通信機器を所持してはいけない、島外と連絡は取れるが互いの監視のもとに行う、30分以上複数人が同席し続けてはならない、カメラなどで記録してはならない、寝室に1人のみになりノックを欠かさない、脱出や指示の無効化を試みてはいけない、殺人犯が誰か知ろうとしてはいけない、などが書かれていた。

これが一つでも守られなければ爆弾を爆発するとも書かれている。

そしてこの書状を見つけたものは島の東北東の崖の下に小山内の死体を探しに行けと書いてあったため、草下が見て来た。

作業小屋を確認しに行くと施錠されており、父が応接室に脱ぎっぱなしにした上着の中に鍵を置いたままだったと告げる。

急いで確認しに行くが、鍵は無くなっていた。

犯人の課した十戒を完璧に守ることだけが安全に島から脱出できるただ一つの道であるため、これが合っているのかを犯人に尋ねる方法を考える。

エスなら貝殻、ノーなら石を袋に入れるという方法で、犯人以外が貝殻、犯人だけがどちらかを選択するというコックリさん方式に決まった。

なぜ3日足止めするのかという疑問も出たが、とにかく犯人を探しては行けないため、船長や家族に3日間帰れなくなったことを連絡しそのまま解散した。

綾川が小山内の部屋を使うことになり里英は一人になったが、5分たって廊下に出ると綾川がいた。

父も加わり事件のことを話す。

里英は綾川と同じ部屋で寝ていたが眠れずにいて、綾川がずっと一緒だったため二人はアリバイがあると主張する。

父にはアリバイがないが、娘を道連れに島を爆破するはずはない、そして犯人だとしたら十戒はただの脅しであるとのことで容疑者から外される。

話し合う中で綾川は犯人を見つけるつもりらしいが、時間が来てそのまま解散する。

昼前に綾川と散歩をし、別れてから父と昼食を摂った。

夕方になり食堂へ行くと矢野口がいて、綾川と散歩していたようだが犯人の手がかりを見つけてはいないかと聞かれる。

矢野口は犯人を探そうとしているらしかった。

次の日の朝、犯人はまたもや手紙を残し、殺されたのは矢野口だった。

作業小屋近くの矢野口の死体を確認し、ブルーシートで包みゴム紐で縛ることと書いてある。

そして足跡を消す事と書いてあった。

しかし犯人の長靴の足跡だけが残されていて、矢野口のスニーカーの後は消されていた。

その時里英は綾川からウインドブレーカーを貸してくれるよう頼まれる。

ブルーシートに遺体を包み、草下が建築の仕事で用いる縛り方をするが、犯人にNGを出される。

結び方をなおしなんとかOKをもらえた。

次の定期連絡の時、綾川はウインドブレーカーを利用して矢野口のスマホを盗み取っていた。

中を見てみると、初対面だと言っていた小山内と連絡をとっていたことが発覚した。

当日をどうにかやり過ごし、最悪の場合逃げるという内容だった。

この二人が爆弾に関わっているようだ。

翌日また指示書きがあり、今度は藤原が殺される。

作業小屋の地下にある藤原死体を蓋を開けて確認し、中に入っては行けないという。

確認しに行くと、切断された足が見えた。

死体は全て犯人が処分するのでその間は部屋から出ないように指示がある。

部屋の前に貝殻を積んで出ていないことを確認し、処理が終わったら順にシャワーを浴びることと指示された。

果たして全員無事に帰ることが出来るのか。

そして犯人は一体誰なのか。。。

 

 

以下ネタバレも多少含みます。
スリリングで面白かったです!
犯人を探してはいけないって言われると探したくなってしまいますよね。
少人数で閉鎖された空間の中に人を殺している人間がいるなんて、普通だったら耐えられない状況だと思います。
でも無事に帰れるならと従ってしまうのかな。
というか、綾川さんは方舟の人と同一人物なのか!
最後の綾川の行動でよくわからなかったのは、本当に偶然聞いてしまったのかそれとも爆弾に関わるメンバーなのか。
最後に爆発させる手際が良すぎることからやはり爆弾について詳しく知っていたのかなと思います。
もしくは3人を消すために雇われた殺し屋的な人物だったのか。
いずれにせよミステリアスな雰囲気を残して終わっていて、悪者なのかもしれないけどあっさりさよならする感じがちょっとかっこいいです。
 
ネタバレしてしまいましたが、まだ読んでいない方は是非読んでみてください。
そして考察してほしい!