元図書館司書主婦の読書日記

趣味の読書のブログです。

長い廊下がある家 〜アリス&火村シリーズ〜

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今回は有栖川有栖さんの「長い廊下がある家」を読みました。

アリス&火村シリーズの短編集です。

 

以下、あらすじと感想。

 

「長い廊下がある家」

大学生の日比野浩光はフィールドワークのために山に入るが迷ってしまい、とある家へと辿り着く。

そこには心霊雑誌の取材のグループが滞在していた。

心霊ライターやカメラマン、編集プロダクションの人たちが滞在しているのは、地下に長い廊下のある女性の霊が出ると噂の建物だった。

地下の廊下で繋がった2軒の同じような家。

日比野は次の日にみんなと下山しようと一泊することにするが、朝になって姿を見せなかった宮松という人物の死体が地下の廊下の関がかかった扉の向こう側で発見される。

前日抜け出して宮松を殺しに行けた人物はこの中にはいない。

日比野は火村の授業をとっていたことから相談する。

宮松は誰にどのように殺されたのか。。。

 

単純なトリックすぎて、真相を知ったら拍子抜けします。

即席で考えたにしては手際が良い笑

外観が同じ2軒の家というのが怪しすぎると思ったら、やっぱりでした。

 
「雪と金婚式」
田所夫妻が金婚式を迎えた夜、雪が降る中娘と孫から贈られたビデオを見ていた。
離れに住む義弟が帰っていないようなのを訝しむが、そのまま入浴して眠りにつく。
翌朝雪は止んでいて、離れに向かう足跡がついていたので母屋に呼んでケーキをご馳走しようとするが、義弟の森重は遺体で発見される。
容疑者は詐欺絡みで森重に恨みを持つ2人の人物。
数日後、夫の雄二が「犯人がわかったかもしれないから警察に行く」と電話で妻安曇に告げた直後に階段から転倒して記憶を失ってしまう。
困った鮫山警部補はアリスと火村に相談し田所邸を訪れると、アメリカから娘と孫が訪ねて来ていた。
雄二はどのようにして犯人がわかったのか。。。
 
最後のオチがロマンチックです。
金婚式にこんなことしてくれるおじいちゃん素敵!
 
「天空の眼」
アリスが出かけると、マンションの隣人の高校教師、真野沙織と出くわす。
教え子の広沢星子から心霊写真を撮ってしまってから悪いことが続いていると相談されているのだが、論理的説明でどう言ってあげれば良いか教えて欲しいと相談される。
支倉という友達が「これは心霊写真だから持っていたらやばい」と言い、その写真を引き取ったらしい。
一方その頃、山奥の別荘で転落死した大学生、藤野研介の死体が見つかった。
会社社長所有の別荘に侵入しようとして、屋上の壊れたフェンスから転落した。
心霊写真の支倉と転落死した藤野は大学の友人で、転落した別荘は支倉の身内の所有だったことから支倉は疑われるが、死亡した日にはアメリカにいたというアリバイがあった。
心霊写真の件も気になるアリスは、広沢に撮影場所を聞き訪ねてみることにする。
果たして心霊写真と転落死はどう関係しているのか。。。
 
そんなうまいこと死ぬかなとは思いますが、心霊写真の方はなるほどなという感じです。
心霊写真と転落死という一見関係なさそうなところが繋がっているのが面白いですね。
 
「ロジカル・デスゲーム」
火村は大学に潜り込んで勝手に講義を聞いていた千舟という人物から手紙をもらう。
余命少ない父親が、未解決事件について知っていることがあるので火村に話したいという。
千舟の迎えで自宅に招かれるのだが、向かう途中に「ゲームに参加させられトリカブトを飲まされた」という事件のニュースがラジオから流れる。
建物の中に通されると、父の件は千舟の嘘で、デスゲームに参加させられてしまう。
3つのグラスにジュースを注ぎ、ひとつにはトリカブトが入っている。
グラスを一つ選び、選ばなかった一つを千舟が飲み干してから残る二つを同時に呷る。
どちらが毒入りを飲んでしまうのか。。。
 
3つ均等に行けたのか?という感想です。
私はじゃんけんはチョキを出しがちなのですが、結構勝率が良いかも。
 
全て面白く読めましたが、「長い廊下のある家」が一番面白かったかな。
「天空の眼」はほぼアリスが解決してますね。
二人のやりとりが毎回楽しいです。
 
気になった方は是非呼んでみて下さい。