ステイホームの密室殺人 〜コロナ禍トリック〜
今回は、「ステイホームの密室殺人」を読みました。
色々な作家さんのアンソロジーです。
以下、あらすじと感想。
”ステイホーム殺人事件”乙一
2020年4月、高校生の榊原夏はコロナに感染し自宅療養7日目に自室で視察隊となって発見された。
四ノ宮先輩は発見者の母親が犯人だと言う。
夏の部屋の扉の室内側には荷物が置かれていて密室だった。
窓やベランダには黄砂が積もっていたが足跡などは無かった。
夏の療養中母親は1階で生活していたが、母親の部屋の窓が開放されており黄砂の上に足跡が残っていた。
臨はなぜ夏が殺されなければならなかったのかと考えている。
母親は遺体に触れていないと言っているが、遺体の下に毛髪が挟まっていた。
呼吸器系に疾患があったことからコロナが重症化し、苦しむ息子を楽にしようと反抗に及んだのではないかと警察は見ているようだった。
臨は四ノ宮先輩と考察するのだが。。。
”潔癖の密室”佐藤友哉
リモート・ソリューション・サービスの外村は顧客の家を訪れていた。
家政婦のスレイポウに案内され全身を消毒しマスクをつけるよう命じられ家の中に入る。
被害者は佐佐木龍征。
6人家族の父親だが、パンデミックにより妻が亡くなったことで生活が一変する。
凶器はナイフで歩くと音が鳴る床の書斎で殺されていた。
3人の子供たちは全員が潔癖になるよう育てられており、リモートで対面した。
依頼人の保宏から事件の日の動画を見せられる。
次男の和邦、三男の厚夫、長女の泉がリモート画面に収まっているが、龍征は家族を解散すると発表し、直後に呻き声をあげ体が画面からずり落ちて死んだ。
家政婦に見に行かせるがドアが開かず、全員で体当たりしてドアを開けると龍征が倒れていた。
外部の犯行ではないためこの中に犯人がいるが、龍征はみんなが見ている前で密室で殺されていたことになる。
果たして犯人は誰なのか。。。
”すていほぉ〜む殺人事件”
メイド喫茶へ通う”ぼっち”はコロナで営業休止中のメイド喫茶のメイド、マルルの配信を見ていた。
すると「ふがし大好き」と言うハンドルネームの何者かがマルルを秋葉原に呼び出すと言う流れを目撃する。
マルルが心配なぼっちはふがし大好きが指定した場所を張り込むが、やって来たのは美女だった。
黒苺フガシと言う名前の美女はマルルと同じメイド喫茶で働く予定のベテランメイドらしい。
そこへパトカーと救急車が近づいてくる音がして、メイド喫茶に行くとカガヤと言うメイドが店長がドアに寄りかかって死んでいるのを発見したと言っている。
室内は密室だった。
フガシとぼっちコンビは事件を解決することが出来るのか?
”題名のない朗読会(抄)”法月綸太郎
疫学調査官の私は朗読会をするというカフェの調査に訪れた。
朗読会に登場した新原が会を始めるが。。。
”迷惑な殺人者”日向夏
部屋のバルコニーに男が降ってきたのを目撃した私は警察に連絡する。
笹山と森下という刑事がやって来て事情を聞かれる。
反対側から飛び降りたなら確実に死ねて目立つことが出来ると考えるも、屋上から靴と遺書が見つかり自殺で終了するのだが。。。
”末恐ろしい子”
遠隔見守りサービスで5歳の息子ツグオを育てている私。
しかしツグオが死んでしまったカズオにそっくりに見えて。
死んだ兄がいることを話そうとするとツグオは「兄さんが死んでくれたから僕は生まれることができた」と言う。
そしてツグオは私にもう一人の息子”レオ”のことを思い出させる。
コロナ禍ってこうだったよな、と遠い昔の記憶のように思い出しますね。
どのお話にもほとんどリモートの場面が出てくるのがコロナ禍って感じがします。
そしてその状況をうまく利用したトリックが描かれているのが、コロナ禍にならなければ誕生しなかった作品なのだということを感じさせられます。
”すていほぉ〜む殺人事件”が一番好きかも。
一番キャラが好きだし、ぼっちの正体とフガシとの過去のつながりも最後にびっくりするところも良いですね。
”末恐ろしい子”は世にも奇妙な物語感があって、こちらも良かったです。
気になった方が是非読んでみてください。
さよならに反する現象 〜ちょい怖で切ない短編集〜
今回は、乙一さんの「さよならに反する現象」を読みました。
久しぶりの乙一さん。楽しみ!
”そしてクマになる”
リストラされた私はクマの着ぐるみのバイトをしている。
家族にはリストラのことを言えず、休日の出勤は後輩のミスでと嘘をついている。
ある日のバイトで住宅展示場でクマの着ぐるみで風船を配っていると、息子と妻と知らない男が一緒にいるのを見かける。
”なごみ探偵おそ松さん・リターンズ”
イヤミ邸で家政婦をしているトト子は手が魚臭いとイヤミにいつも言われている。
庭師のカラ松、料理長のチビ太がイヤミ邸で一緒に働いているのだが、夜になるとうめき声が聞こえ寝ている間何者かの視線を感じることがあった。
ある冬の寒い日、使用人休憩室でカラ松の遺体が見つかる。
”家政婦”
山田秋穂は神宮寺家で住み込みの家政婦として働くことになった。
家主で作家の神宮寺典明と息子のナツメの世話をするのだが、この家は死者の通り道だった。
町で死んだ人間があの世へ行く前にこの家の中を通って行く。
相手をしてしまうと付き纏われると言われ、姿を見ても見えないふりをしなければならない。
老婆や赤ん坊など様々な人が亡くなりこの家を通る。
そんな中、喫茶店の常連の竹林真一郎と知り合い会話をするようになった。
借りた傘を返しに行くと秋穂は違和感を竹林の家に感じる。
そして若い女性の霊が現れて。。。
”悠川さんは写りたい”
引きこもりの烏丸は心霊写真の合成を趣味にしていた。
無断で他人の写真は使えないので火事で亡くなった家族の写真を使うことにしていたのだが、写真のストックが無くなりカメラを持って外へ出かけた。
交差点で写真を撮っていると、女子大生から話しかけられた。
しかし彼女は生きている人間ではなくて。。。
方舟を燃やす 〜エモさから現代へ〜
今回は、角田光代さんの「方舟を燃やす」を読みました。
昭和から令和までの移り変わりの中にオカルトも出てくるとのことで、楽しみしかない!
以下、あらすじと感想。
1967、柳原飛馬
飛行場が出来た年に生まれたことで飛馬と名付けられた少年は、山間の村に育つ。
近くには赤い川が流れていて、そこへ年下の女の子”ナワコ”がしつこくついてきたことで突き落としてしまう。
しかしナワコの両親が怒鳴り込んできたため父にバレ、叱られて家から追い出される。
「お爺さんに謝れ」と父はいつも祖父のことを持ち出す。
祖父は地震を予知して村の人を助けたとされていて、祖父を讃える碑が立っているのが父の自慢だった。
街の中心街に引っ越してから、飛馬は兄が読んでいる雑誌の文通コーナーから文通相手を探し、知らない街のことを知りたくてたくさん手紙を書くようになる。
田中弘子という文通相手からノストラダムスの大予言について教えてもらう。
1999年7月に恐怖の大王によって世界は滅亡する。
やがて兄の忠士は無線を始め、知らない誰かと通信をしているようだ。
転校して以来クラスに馴染めていなかった飛馬だが、秋の遠足での出来事から友達が出来た。
遠足では狩野美保という生徒が毎回吐いてしまう。
6年生の秋には母が入院する。
手術も成功しすぐに退院できるはずだったが、同室の老婆が「もう助からない」と噂をしているのを聞いてしまい、母のことだと察する。
母の前で泣いてしまい、母も本当のことを教えてくれたら私も本当のことを教えるという。
母曰く、祖父の伝説は嘘だった。
それからしばらくして、母は亡くなった。
自分のせいで母は死んだと思い込み、飛馬はずっとそのことで悩み続ける。
1967、望月不三子
不三子は父を早くに亡くし、無気力な母と妹と暮らしていたが、妹の学費を稼ぐため菓子メーカーに就職する。
同僚の男性とのデートでお菓子の企画について語るが、添加物のことを指摘され何も考えていなかった自分に愕然とする。
その男性とはうまくいかなかったが、望月真之助という男性と結婚しすぐに妊娠した。
キリスト教系の病院で産むことを決めた不三子は時々病院の教会へも参加していた。
そこで料理教室へ誘われて行ってみると、勝沼沙苗という講師がマクロビオティックを応用した料理を教えてくれる。
体調が目に見えて良くなった不三子は料理教室にハマり娘が生まれても通い続ける。
娘のワクチンについて沙苗に相談すると、「お母さんが調べて自分で決めないと」と言われるがワクチンの事故もあり打たせないことに決める。
1980、柳原飛馬
中学生になり放送部に入った飛馬は、ある日の部活の最中コックリさんをやっていた生徒が倒れて救急車で運ばれたという知らせを受ける。
その生徒は遠足でいつも吐いている狩野美保らしい。
兄はただの集団ヒステリーだと言い、翌日美保に聞いても大丈夫だと言う。
オール・ノット 〜全部ダメってわけでもない〜
さみしい夜にはペンを持て 〜日記を書いてみよう〜
今回は、古賀史健さんの「さみしい夜にはペンを持て」を読みました。
「嫌われる勇気」の方だったのか!読んでから気付きました。
以下、あらすじと感想。
中学生のタコジローは勉強も運動も得意ではない、スクールカーストでは底辺の男の子。
すぐに顔が赤くなったりスミを吐いたりと言うことで、クラスメイトのトビオにからかわれている。
どうしてタコに生まれてしまったのかと自分が嫌いだった。
ある日体育祭の選手宣誓をサッカー部のイカリがやると決まったようなものだったのに、トビオの陰謀でタコジローがつとめることになってしまう。
トビオが面白がってしたこととわかっているので顔が真っ赤になってしまい、みんなに笑われていると感じて涙が込み上げた。
翌朝通学のバスに乗るが学校の前で降りることがどうしても出来ず、隣に座ってタコジローを心配してくれたおばさんが降りた公園でバスを降りる。
公園の岩の上に寝そべり海面を見るととても綺麗だったが、なんとそこはヤドカリのおじさんの家だった。
そこへしけが来て海が荒れそうだったため、タコジローはおじさんの家の中へ入るのだが。。。
小中学生向けに日記の書き方をレクチャーするお話なのですが、物語形式なので読みやすく分かりやすかったです。
大人の私でもためになることがたくさん書いてあり、日記をつけようと思わせてくれるお話でした。
作文として文を書こうと思うとつまらない文章になっちゃうってめちゃくちゃわかる!
ほとんどの人が「作文てこんなものでしょ」って思って無難にまとまるよう書いてますよね。
でも日記なら「へんなこと」を書いても大丈夫!とヤドカリのおじさんは教えてくれました。
成瀬は信じた道をいく 〜成瀬再び!〜
今回は、宮島未奈さんの「成瀬は信じた道をいく」を読みました。
”成瀬は天下を取りにいく”がめちゃくちゃ面白かったので、続編も読んでみました。
以下、あらすじと感想。
”ときめきっ子タイム”
ときめき小学校4年生の北川みらいは「ときめきっ子タイム」という総合学習の時間に、ときめき地区で活動している人を調べて発表することになった。
夏祭りで司会をしていたゼゼカラに助けられたことで憧れて、同じ班の結芽ちゃんとたいちゃんとくらっちにゼゼカラについて調べたいと申し出た。
先生に聞くと校長室に飾られている絵はゼゼカラの成瀬あかりが描いたものだと知り早速校長先生に話を聞きに行く。
校長先生は連絡先は夏祭りの実行委員長の吉嶺マサルさんに聞けばわかるかもしれないとのことで、膳所駅近くの法律事務所を訪れてみることにする。
しかしたいちゃんが通学路で成瀬の名前を見たことがあると言うので行ってみると、交通安全標語に成瀬の名前が書かれていた。
看板を見ていると女子高生がやって来たので避けようとすると、なんと成瀬あかりだった。
パトロール中だとのことで改めて土曜日にオーミー1階のイートインスペースで待ち合わせをするが、他のみんなは来る様子はなかった。
一人でも行きたいと成瀬の元に向かうと、相方の島崎も一緒に来ていた。
ゼゼカラの話を聞いていると結芽ちゃんもやって来て、みんなでパトロールに行くことにした。
楽しくインタビューを終えたが、週明けに学校に行くと結芽ちゃんが成瀬のことを変な人だったと言っているのを聞いてしまう。
”成瀬慶彦の憂鬱”
成瀬慶彦はパソコンの履歴から娘のあかりが大学合格後に一人暮らしをしようとしている形跡を見つけてしまう。
隣の島崎みゆきの引っ越しも関係しているのではないかと思う。
あかりにも妻にも切り出せないまま元気なく会社へと向かう。
帰ってくると家具のカタログを見つけ、あかりが抱えて持っていった。
京大の入試には妻は一人で行けると言うが、心配でたまらない慶彦は一緒についていくつもりだった。
入試当日は雪で無事に送り届けるが、終わって出てきたあかりは雪の中野宿しようとしている城山という受験生を拾って家に連れて帰ってしまう。
YouTuberということで胡散臭く思うがあかりに押し切られ家に向かう。
廊下で寝ると言う城山をお茶に誘い話を聞くと、放任主義の祖父母に育てられていると言う。あかりのことを知るうちに城山は自分の企画が面白いのかわからなくなったようだった。
次の日も慶彦はあかりと城山と一緒に入試2日目にに向かうが、終わるとあかりから「今まで見守ってくれてありがとう」と言われ寂しさが込み上げる。
そして合格発表の日を迎え。。。
”やめたいクレーマー”
呉間言実はフレンドマートのお客様の声にクレームを書いてしまうのを悩んでいた。
義父が同じくクレーマーなので夫の祐生は言実のクレーム体質を寛大に見守ってくれていた。
いつものようにお客様の声を記入していると、成瀬という店員に声を掛けられた。
「君を見込んで頼みたいことがある」と言われ怖くなり逃げ出してしまう。
夫に報告すると「面白い店員さんだね」と微笑んでいたが、極力合わずに済むように成瀬のいない時間に買い物に行っていた。
しかしパトロール中の成瀬と出会ってしまい、熱心にお客様の声を寄せてくれる言実に万引き犯を捕まえるのを手伝って欲しいと頼む。
その場では断るが、言実は万引き犯を見つけてしまい。。。
”コンビーフはうまい”
篠原かれんはびわ湖観光大使選考会に参加していた時、成瀬という変わった女子高生を見かけた。
祖母も母も観光大使をしていたかれんは観光大使になるために育てられてきた。
危なげなく観光大使になったかれんだったが、一緒に観光大使として活動するのは成瀬に決まった。
囲み取材にも練習通り答えるが、成瀬の方が目立っていたようだった。
スマホを持っていなかった成瀬も大学生になり母に持たされたようで、Instagramを教えて欲しいと言う。
スマホを見てみると家の番号が入っていて、「コンビーフうまい」と覚えると言っていた番号はなぜそうなのかわからなかったが、説明されるとたちまち覚えてしまった。
Instagramのアイコンを琵琶湖の前で撮影すると言うのでポーズを教えて撮ってあげた。
かれんのアカウントを教えると一枚ずつ褒めてくれた。
観光大使の初仕事は金沢駅で行われる「おいでやすびわ湖滋賀フェア」だった。
新幹線の中で思いがけずインスタの裏アカが成瀬に知られてしまい、撮り鉄なのがバレてしまった。
金沢に到着すると観光大使として懸命にパンフレットを差し出すが足を止める人は少なかった。
しかし成瀬がけん玉で人を集めたのでかれんはインスタのストーリーに上げるべく夢中で動画を撮った。
家に帰ると母からはインスタを見たがかれんが全然写っていないことを指摘される。
ゴールデンウィークになり祖父母と両親と普段は東京に住む兄と旅行に行くが、そこでも観光大使の話題を出され、家族に将来まで縛られていることに悩む。
成瀬からは好きなことを極めたら良いと言われるが、撮り鉄を極めるのはなんだか違うと言うことで、観光大使日本一を調べた。
すると観光大使-1グランプリがあることを知り二人で参加することになり。。。
”探さないでください”
大晦日、成瀬をサプライズで訪ねた島崎だったが、成瀬は「探さないでください」という書き置きを残して消えてしまっていた。
スマホも置いていって連絡が取れないのでまずは手掛かりを探すため部屋を見ると、観光大使の衣装とけん玉が無くなっていた。
成瀬の父と一緒に探しに出かけると、パトロール中のみらいに出会った。
いなくなったことを告げるとみらいも一緒に探すと言う。
3人で成瀬のバイト先を訪れると呉間言実とその夫に出会った。
成瀬を見かけたら教えて欲しいと情報提供を頼みLINEグループを作った。
次に同じ観光大使のかれんに会いに行こうとインスタを見ると、ミシガンの近くにいるとわかった。
事情を話すとかれんも一緒に探すことになった、
お腹が空いたので一旦食事にすると、テレビ中継で成瀬が映り岐阜の関ヶ原で天下統一スタンプラリーをしていることがわかった。
武将のスタンプを集めている成瀬が行ったことがないのは名古屋だとあたりをつけて、全員で車で出発した。
しかしニアミスで会えずにいると島崎の母から成瀬が訪ねて来たと聞き、東京にいるとわかる。
行くところがあると言っていたようだが果たして成瀬はどこへ向かうのか。。。
今回もとても面白かったです!
小学生を弟子にしたり、クレーマーと友達?になったり、YouTuberを拾って来たり、観光大使になったり。
最後は紅白にも出てしまうなんて、こんな女子大生凄すぎ!
やはり成瀬は周りを惹きつける不思議な魅力に溢れていますね。
今回のお話を読んでますます成瀬を好きになり、「私も友達になりたい!」って思ってしまいました。
大学生になった成瀬はまだまだ面白いことをしてくれそうだし、ゆくゆくは滋賀を制覇して世界へ出ていく成瀬もまだまだ見たい!
次回作にも期待です。
時計泥棒と悪人たち 〜泥棒が探偵⁉︎〜
今回は、夕木春央さんの「時計泥棒と悪人たち」を読みました。
「方舟」の作家さんとのことで期待大!
大正時代の謎解きです。
以下、あらすじと感想。
”加右衛門氏の美術館”
画家の井口は世田谷の蓮野を訪れていた。
蓮野は泥棒をしていたが品川の貿易商邸で捕まり今年出所した。
以来翻訳の仕事を見つけてやらせている。
今回蓮野に相談したいのは、浦川加右衛門という実業家に父が売った時計の件だった。
オランダの貴族が持っていた時計を加右衛門に売った際に、父が精巧な偽物を渡していた。
しかし加右衛門が病に臥せり死ぬ前に美術館を作ろうとしていることを知り、偽物であるとバレてしまうと心配したため本物と入れ替えたい。
そこで蓮野に美術館に忍び込んで取り替えて欲しいのだった。
以前井口の作品も買ってくれているので話はスムーズに晋と思い連絡するが、加右衛門は気難しい人物のようで甥の幹二を通して面会が許された。
車で埼玉へ向かい屋敷へ到着するが加右衛門の期限は悪いようで、医者に診てもらうのを待ってからの面会となるため先に美術館を見せてもらうことになった。
入り口から1番手前に井口の作品が展示してあったが、銅板に書いた絵だけ見つからなかった。
時計を探すが見つからず、そこへ女中が呼びに来た。
加右衛門に絵を買ってもらった礼を言うが反応せず、銅版の絵はどこかと聞くが知らないと言われ、勝手に美術館を見せたことで幹二を怒鳴りつける。
もしかしたら美術館に時計はないかもしれないと、妾の家を訪れて話を聞くことにする。
しかしそこには無く、再び美術館へ行き忍び込むことになった。
時計は見つけたが、銅版の絵がまとめて飾られているのを見た蓮野は「逃げよう」と言い。。。
すごいボリュームなので1話だけあらすじをご紹介しました。
大正時代が舞台ということで、現代のような便利な道具がないため全て人力で事件を解決しなければなりません。
そこが面白く、誘拐犯と戦うのに真っ暗な中乗り込んで行ったり、大きな船なのに脱出用のボートが1隻しかなかったり、3姉妹と連続で結婚したり、簡単に盗みに入れたり。
今なら無理でも大正時代なら納得させられる話の流れという感じで、その設定をうまく利用していると思いました。
その分内容が薄い部分があり、夕木さんの他の作品と比べると少し劣るかなと思ってしまいました。
しかし探偵役が泥棒という設定は面白く、しかもイケメンらしいとのことでこのキャラはシリーズとして使えそうかなと思います。
興味がある方は是非読んでみてください。






