レーエンデ国物語 喝采か沈黙か 〜双子の物語〜
今回は、多崎礼さんの「レーエンデ国物語 喝采か沈黙か」を読みました。
3作目をいきなり読んでしまった!けどものすごく面白かったです。
これは全部読まなければ!
以下、あらすじと感想。
男娼であり舞台俳優のアーロウ・ランベールは、その日の舞台を終えるとパン屋のマウロにお兄がしたことを聞かされる。
双子の兄リーアンがレーエンデの英雄テッサについて昼夜問わず聞きに来ると言う。
マウロの曽祖父がレーエンデの英雄に命を助けられたことを語り継いでいるが、法皇庁に知られると犠牲法として生きたまま魚に喰われる事になる。
レーエンデの英雄テッサの話はこの国では禁忌であった。
アーロウとリーアンの母はこの月光亭という娼館で働いていたが、イジョルニ人と結婚し出ていってしまった。
月光亭に残るためには働かなければならずアーロウは男娼と俳優の道を選んだが、リーアンは戯曲を書く才能があり、作品を納める代わりにアーロウを置いて月光亭から出ていってしまう。
出て行くなら自分も連れていって欲しいと懇願したが、「お前のためだ」と言いリーアンは一人で行ってしまった。
アーロウは双子なのに何もできない自分を呪いながら生きていた。
パン屋のマウロに言われたことを問いただそうと、アーロウはリーアンを訪れる。
リーアンは英雄テッサの物語を帝国の頂点エストレニエの劇場で上演すると言う。
そのためにテッサの物語を集めている。
本来ならレーエンデ人がそれをするのは不可能だが、イジョルニ人の演出家ミケーレ・シュティーレが協力してくれていると言う。
イジョルニ人が認めてくれるなどあり得ないとアーロウは疑うが、リーアンが聞き入れずテッサの話を聞かせろとせがみ、ルミニエル座の脚本を先に仕上げたら教えると約束する。
脚本を仕上げたリーアンを連れて、アーロウは義勇軍の集会に訪れる。
アーロウはレーエンデの自由を取り戻すために隠れて活動しているが、リーアンも参加すればテッサの話を教えると言う。
しかしそこで聞けた話は、テッサが率いる義勇軍が勝利目前で裏切りにあい捕えられ処刑されたという話だけだった。