元図書館司書主婦の読書日記

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魔女と過ごした7日間 〜魔女シリーズ第3弾〜

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今回は東野圭吾さんの「魔女と過ごした7日間」を読みました。

ラプラスの魔女から3作目です。
東野圭吾さんの中でもファンタジーめいたこのシリーズはそんなに好きではないのですが。
 
以下、あらすじと感想。
 
中学生の月沢陸真は放課後に立ち寄った図書館のエレベーターで不思議な女性と出会う。
糸のついていないけん玉を軽々操ったり直後の天気を言い当てるのだった。
その陸真の父克司が多摩川で殺害され、刑事の脇坂が学校に訪ねて来た。
父がいなくなった日のことを聞かれ、モーターショーでの仕事に出かけたことを話す。
そして父に女性の影があったことも伝える。
家族が誰もいなくなってしまった陸真に、友人の純也は家に食事に誘う。
将来はAIに仕事を奪われてしまうかもしれないという話から、父の職業について語る。
父克司は警備会社で潜入監視員をしていた。
イベント会場などに出向き不審者がいないか撮影しながら警備する仕事だ。
警備会社に就職する以前は警察官だった。
見当たり捜査と言って、道端に立って指名手配犯を街中から見分ける仕事をしていた。
それがAIにとって変わり、仕事に誇りを持っていた父は警察を辞めてしまう。
家に帰り父の所持品を整理しようとすると、リビングボードに父がいつも見ていたノートが出しっぱなしになっていた。
指名手配犯の写真と情報が書いてあるノートだ。
几帳面な父が出しっぱなしにするはずがないと訝しむ。
更にリビングボードにはファイルが入っていて、預金通帳と「永江照菜」という名前の病院の検査関連の書類や手続きの領収書が入っていた。
その頃脇坂は、遺体が見つかった周辺に落ちていたものからDNA鑑定をしたリストの人物をあたるように言われる。
リストには犯罪歴がない人物のDNAもデータベースに入っているが、科警支援局もどのように採取したかは警察にも明かさない。
脇坂はこの点に疑問を抱いている。
月沢克司の携帯を解析した結果、陸真が女性関係に言及していたことで「永江多貴子」という人物と頻繁に連絡をとっていたことを突き止める。
その時脇坂の元に陸真からの連絡が入り、話したいことがあると言われ家を訪ねる。
そこでお互いに探している人物がほぼ同じだと知ることになる。
それから父のノートを見せて、整形などしていても探し出せると話していたと伝えるが、ただ一人だけは別だと言っていた「新島史郎」の話をする。
父は、この写真からは何の人生も感じられないと言っていた。
全て撮影した陸真はノートを脇坂に託す。
1学期の終業式の日に、陸真は純也と一緒に父の通帳の記帳に行く。
すると知らない名前の男2人から大金が振り込まれており、それをそのまま永江多貴子に送金していたことがわかる。
ファイルから見つけた書類に病院名と脳神経外科という単語を見つけていた陸真は、病院を訪ねる。
個人情報なので永江照菜については教えてもらえなかったが、そこで図書館で出会った不思議な女性と一緒にいた車椅子の少年を見かける。
「数理学研究所」と書いた車に乗って行ったことで調べてみると、脳神経外科との関連がありそうだと、二人は直接訪ねてみることにする。
そこで永江照菜と多貴子の名前を出し月沢陸真だと名乗ると、関係者だという女性が現れる。
羽原円華と名乗るその女性は、図書館で出会った不思議な女性だった。
そしてなんと永江照菜は月沢克司の娘だと知らされる。
二人に直接会うことになるが、照菜は記憶能力に優れているが話せない、いわゆるギフテッドのようなもので、この研究所ではエクスチェッドと呼ばれていた。
大金を振り込んでいた件について聞き入金者の名前を口にすると、照菜は刑事に魅せられたノートにその名前があったことを伝える。
脇坂に電話でそのことを話すと、研究所に来てくれることになる。
陸真は父が指名手配犯を見逃す代わりに金を受け取っていたのだと疑う。
通帳のコピーを渡した見返りに、円華は脇坂に遺体が見つかった正確な時間と場所を聞き出す。
脇坂は克司が仕事中に指名手配犯を見つけ、独自に後を追って接触したのではと思い勤務中に離れたことはないかと確認しに行くと、モーターショーの日に早退していることが分かった。
一方円華に誘われた陸真と純也は自転車で父が見つかった現場に行く。
風の音や水の音を聞きここで殺されたのではないという円華について上流に向かう。
人目につきにくい橋の下を調べると、父の虫眼鏡が出てきた。
脇坂は克司の警察官の元同僚に接触し、「新島史郎」の写真がその同僚は持っていなかったことから、新島が公式に指名手配にはなっていないことを知る。
新島が犯人だという匿名の通報で追跡していたが、フェリーから身を投げ見失ってしまい、犯人死亡で事件は解決していた。
上司からは新島の件は報告するなと釘を刺される。
その頃犯行現場を特定した3人は、陸真の部屋に集まっていた。
父の服を探ると、カジノのチップが出てきた。
そして昔使っていたという携帯電話からは動画が見つかるのだが、そこに写っていたのは新島史郎だった。
カジノのチップについて探るため、円華の元ボディーガードのタケオの店を訪れる。
裏カジノだと踏んだタケオは精通している知り合いを訪ねるが、易々と教えてはくれない。
ビリヤードで勝ったら教えるということで円華が勝負するのだが、不思議なほどビリヤードが上手だった。
勝負に勝って「ブルースター」というバーにヒントがあると教えてもらい、タケオと円華と陸真で向かうことになるのだが、未成年は入れないため陸真にホステスに化けるため女装させる。
オーナーの老婦人赤木ダリアにカジノの話と月坂の名前でカマをかけると、目隠しをされカジノの事務所に連行される。
月沢克司を殺した犯人を見つけることが目的だと告げるが結局何も情報は得られなかった。
その代わりに円華はルーレットの玉がどこに止まるかが分かると言ってやってみせ、ディーラーに雇って欲しいと申し出る。
脇坂は新島の事件を追うフリーライター接触し、被害者のアクセサリーが2つだけ新島の家にあったことはおかしいと知る。
絶対にわからないドレッサーの二重底にアクセサリーを隠していたし、警察の資料にもドレッサーが荒らされたとの記載はなかった。
被害者の爪から出たDNAデータも改竄された者ではないかと疑っているという。
再度陸真の家を訪れた脇坂は、新島らしき人物が映る携帯の動画を提出してもらい、その際に新島が関わっていたブルースターのコースターがあるのを見つけ、事情を知っている純也を待ち伏せし問い詰める。
純也はディーラーをやる件を話し絶対に手出しをしないという約束で脇坂は二人を尾行する。
陸真のカジノの盗撮は失敗してしまうが、円華は別のカメラで客をとらえていた。
研究所に戻り映像を確認するが指名手配犯はおらずがっかりしていると、純也が新島はいるか照菜に確認して欲しいという。
すると意外な人物が浮上して来て。。。
 
東野圭吾さんの小説の中でもファンタジーは苦手だったので、ラプラスの魔女シリーズはあまり好きではありませんでした。
今回の魔女と過ごした7日間は、そこまでファンタジー色はなかったので楽しく読めました。
陸真のキャラは環境から考えるともっと根暗な感じからお父さんのためにやる気になる!みたいな方が良かったかなと思います。
友人の純也がいい働きをしていますよね。
真犯人ももうちょっと前半から存在感をアピールして欲しかったかな。
一瞬しか出てこないから「あの人が⁉︎」ってならなかったので。
しかし魔女シリーズでは一番楽しめたかもです。
 
気になる方は是非読んでみてください。