元図書館司書主婦の読書日記

趣味の読書のブログです。

ローズマリーのあまき香り〜もはや歴史スペクタクル!〜

世界中で人気を博す、生きる伝説のバレリーナ・クレスパンが密室で殺された。
1977年10月、ニューヨークのバレエシアターで上演された「スカボロウの祭り」で主役を務めたクレスパン。
警察の調べによると、彼女は2幕と3幕の間の休憩時間の最中に、専用の控室で撲殺されたという。
しかし3幕以降も舞台は続行された。
さらに観客たちは、最後までクレスパンの踊りを見ていた、と言っていてーー?

名探偵・御手洗潔も活躍、島田荘司待望の長編新作!

 

amzn.to

 

ミステリ好きな私は、もちろん御手洗潔の大ファンです!

今回は島田荘司先生の新作とのことで、ワクワクで読みました。

まずビルの50階の密室で起きた殺人事件という、一見不可能な状況にワクワクじゃないですか!

しかも被害者は舞台の2幕と3幕の間に殺されたはずが、3幕以降も舞台で踊り続けているんですから、それはもう謎ですよ。

第3章で被害者の生い立ちに迫って行くのですが、この事件のキーワードはユダヤ人です。

被害者フランチェスカは戦時中ユダヤ人の収容所で生まれ、ドイツ人医師に人体実験に使われたのではないかという推測を刑事が探ります。

ここからユダヤ人が日本人になったという都市伝説でお馴染みのお話が展開されます。

本編にはそこまで関係ないのですが、正直ここが一番面白かったです。

そして第4章では「スカボロウの祭り」のお話に入ります。

白鳥が人間の女の子になりたくて魔法の扉を潜るというファンタジーなお話。

この章だけでかなりのボリュームで、途中で何を読んでいたか分からなくなるほど熱中してしまいます。

そこから銀行強盗や緑顔の演説男に車爆発事件など、ますます何の話かわからなくなったところでやっと御手洗潔登場です。

今回の相棒はハインリッヒ。なんと、石岡君は登場しません。

再びフランチェスカの生い立ちロシア&ドイツ編に入ります。

そこから舞台をニューヨークに移し、一気に謎解きになって行くのですが。。。

 

謎解きパートはミステリでやってはいけないトリックを連発します。

島田荘司先生だから許される禁じ手ですね。

まあそこを差し引いても、前半の世界史の部分やファンタジーパートはかなり楽しく読めたので、これはこれでありかと思います。

だってこれだけバラバラだったピースを最後は見事に一つにまとめてしまうんだから!

 

気になった方は是非ご一読下さい。